嫁の愛車とお別れする日がやって来ました。
何かと思い出も多い嫁の愛車ですが、タイに移住する以上お別れをしなければいけません。
夫が車を売却する時の様に、知っている方に譲った方がよいと思ったので欲しいと言ってくれていた友人に話を持って行きましたが残念ながら金額が折り合わずお流れに。
車買取店で買い取ってもらう事も考えましたが、知り合いの車屋さんの勧めで少しでも高く売れる期待を込めて自動車のオークションに出品する事にします。
前日、長年のありがとうを込めて夫婦でしっかりと洗いました。
普段はそんなに細かい部分まで洗わないよと思う場所も、柔らかい歯ブラシを使って隙間の間までしっかり掃除して念入りにワックスを掛けました。
普段より輝いて見えた車を見て、すごく寂しい気持ちになってしまいましたが、夢を叶える為には仕方ありません。
あとは約束の日に車屋さんに持って行ってさよなら・・・
だと思ったのですが、車屋さんがオークション会場まで運ぶと言い出しました。
聞いてねぇ・・・
こんな時間から？と思いましたが、自動車オークションの会場は２４時間受付をしているのです。
と言う事はダラダラやっているとドンドン遅くなるだけです。
無駄話は抑えて、さっさと会場に運ばなくては！
少しでも見栄えよくオークションに出したいので、車屋さんでスタッドレスタイヤからノーマルタイヤに付け替えて、エンジンルームをスチーム洗浄、アルミホイールに付いた頑固なブレーキ汚れをを洗剤で溶かしてから高圧洗浄機でしっかり落としました。
その後は車２台で愛知県東海市にあるUSSオークション会場まで運びます。
車屋さんでお別れだと思っていたので思いがけない最後のドライブになりました。
最後の最後まで愛車は心地よいエンジン音を奏でながら快適に二人を乗せて走っていきます。
途中にあった螺旋状の高速インター入り口が楽しくて夫婦ではしゃいだり、会場が見えてきてホントにお別れなんだねとしんみりしたり・・・
すごく楽のしかった思い出や、喧嘩をちゃった思い出何かも蘇ってきます。
そして最後のドライブはあっという間に終わり会場に到着してしまいました。
会場の受付所でオークションへの出品書類を記入します。
このオークションではセールスポイントなどが書類のスキャンでそのまま表示される為、嫁の女性らしい文字で記入した方がいいとの車屋さんの心遣いに感謝しますが、それも聞いてねぇ・・・
書類を書き終わると本当にお別れです。
車屋さんが愛車に乗り込み、建物の中に消えていきました・・・
ホントに今までありがとう。さようならと、嫁とずっと手を振っていました。
後は会場内で検査員の査定があり、２日後のオークションで買い取られていくそうです。
もう時計は１２時を回っていました。
一緒に着いてきてくれた友人にも申し訳ない。
２日後のオークションで少しでも高い値段が付いて落札される事を祈りながら家路を急いだ２月の寒い夜でした。
