タイ移住3日目、アパート探しは何とか良さそうなアパートが見付かり、次は銀行口座を作りに行きたいと思います。
今回結構な額を日本円でタイに持ち込みました。
アパートを借りるお金や、タイ語学校に通うためのお金、しばらくの間の生活費、普段のタイ旅行では持ってこないような額をいつまでも現金で持っておくのはさすがに怖いものです。
日本の銀行口座もインターナショナル対応していれば使えるのですが、為替レートに加えて手数料がかかりますし、ATMの利用手数料も必要ですので現金をバンコクで両替した方が若干お得なんですが・・・ こういうとき、安心面と金銭面、どちらを取るかちょっと悩んでしまいます。
タイには沢山の銀行がありますが、外国人が簡単に口座を作れる訳ではありません。
ワークパーミット(労働許可証)を持っていればどこでもすぐに作れるそうですが、旅行者やビザ無しではほとんど作ってくれないのが現状です。
以前は旅行者でもパスポートを持って行けば簡単に作れた時代もありましたが、日本でも口座開設は簡単じゃなくなっているし、詐欺などの不正に使われたりするので世界的に厳しくなっているんでしょうね。
さて、インターネットで調べた情報では、カシコン銀行が比較的簡単という事でした。
カシコン銀行で旅行者がワークパーミット無し、ビザなし、ホテルを住所にして作ったという書き込みが多数あります。
私たちもカシコン銀行での口座開設に挑戦してみたいと思います。
まず向かったのはスクンビット33にある大きなカシコン銀行。ここはネットで一番口座開設成功率が高いとされていた支店です。
スクンビット33付近は通称日本人村と言われていて、日本人が沢山住んでいるちょっとハイソな町です。
ここの支店には日本語が話せる行員もいるそうなので日本人には慣れているはず!
入り口を入ると受付のお姉さんがいて口座を開設したいと告げると「ワークパーミットを持っているか?」と聞かれました。
もちろん持っていないので堂々と「持っていません」と答えるとちょっと困った顔して「アパートに住んでいるのか?ホテルか?」と聞かれました。
現在仮住まいとはいえ、アパートに住んでいるので「はい」と元気に答えてみました。
すると「OK!」と順番待ちのカードを渡してくれました。
この時点で心はすでに80%成功したような気分だったのですが、いざ順番が来てカウンターに向かうとそんな気分も一瞬で吹き飛びました。
「ワークパーミットがないと口座開設できない、タイの住所がアパートでも無理です。カシコン銀行の決まりです!」
と相手にしてくれませんので、これはもう撤退するしかありません。
ネットの情報は鮮度が大事、確かに去年まではかなりここで作れたのかもしれませんがきっと日本人が殺到したのでしょうか?
とにかく今はワークパーミットがないと作れないことになったようです・・・
ですが、ここで諦めては何も始まりません。
今までネットの情報にはかなり助けられています。
今度はおいらが情報源になろうではないか!
今こそネットの情報に対する恩返しをする時なのだ!
なんて、思いませんでしたが次のカシコン銀行を目指すことにしました。
次に向かったのはサイアム地区にあるショッピングセンターのMBK(マーブンクロン)の4階にあるカシコン銀行の支店です。
この支店は口座開設成功率がやや高めとの事(銀行口座を作るのに成功率とか一体なんなんだとは思いますが・・・)
このMBKは外国人観光客も多いので、ここの支店なら外国人に慣れているはず!
まずは受付で口座開設をしたいと告げます、「ワークパーミットは持っているか?」「無いです」「無理です」
5秒で撃沈!
カシコン銀行ではワークパーミットがないと絶対無理なのかと聞くと、ちょっと考えた受付のお姉さんが「シーロムの支店に行ってみれば?」と言った。
「シーロムの支店ってBTSサラデーン駅の近く?」と聞くと「そうそう、そこに行ってみれば?」と言う。
普通ならこの言葉を信じるのだが、ここはタイなのだ。全く信用できない。
スクンビット33の支店もそうだ、受付はアパートに住んでいれば大丈夫って感じだったけど実際は無理だった。
仮住まいのアパートからこのMBKまでは東京で考えると調布から新宿くらいの感覚。結構遠い。そこからさらに遠いシーロムへ向かうのは気分的に八王子から秋葉原に行く感覚に近い ※個人的な感覚です
無駄足になる確率が高すぎるけど、ちょうど日本円をタイバーツに両替したかったのでBTSサラデーン駅の近くにあるレートのいい両替所に行くついでだと考えることにしてシーロムに向かうことにした。
BTSでサラデーン駅向かい、シーロム通りを歩いているとカシコン銀行の支店を発見。
入る、受付で口座開設と言う、順番の紙をもらう、順番来る、カウンターに行く、撃沈!
そろそろコントになってきたぞ!
この流れにもなんだか慣れてきた。
「なんで?さっきMBK支店の人はシーロム支店に行けって行ったぞ!」と攻撃。
「ここはシーロム支店じゃなくて出張所だ、シーロム支店は向こうだ!」とお姉さんはひらりと身をかわした。
そうなんだ、随分小さな支店だなとは思っていた・・・
出張所を出て、さらにシーロム通りを歩く、道路の向かい側に大きなカシコン銀行が見えてきた。
それはまるでラスボスの城のように堂々とした風格で建っていたが、何も失うものはない。
それではお約束開始!
入る、受付で口座開設と言う、順番の紙をもらう、順番来る、カウンターに行く・・・
「ワークパーミットはありますか?」
「ありません」
「無理です」
お約束の言葉により撃沈!
わかっていました。ワークパーミットがないと無理なんです、カシコン銀行は・・・
こんな大きな支店まで来て無理なんだから、あとは本店くらいでしょうか、もう気力も残っていません。
半分諦めてかけた時、行員のお姉さんが言いました。
「タイではアパートに住んでいるの?」
その時のお姉さんは後光が射した慈愛に満ちたとても優しい顔をしているように見えたものです。
その時のおいらの顔はきっと疲れと喜びで相当変な顔をしていたことでしょう。
つづく